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スタッフブログ

動物の医療費

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。ようやく、今年初めての書込みとなります。笑。

 本日は、動物の医療費について、少しお話ししたいと思います。動物病院に病気の動物を連れて来られた方は、よくご存知のことと思いますが、動物の医療費は、ヒトと比べてかなり高額であります。といいますのも、ヒトは公的な保健制度により控除され、患者の窓口負担は3割程度であるからです(自由診療は別ですが)。つまり、残りの7割は国が補助しているわけです。当然、伴侶動物にはそうした制度が国内にありませんので、飼い主様には、窓口にて全額お支払い頂く必要があります(ペット保険非対応動物病院の場合)。したがって、動物だから医療費が高いというわけではありませんが、単純にいうと、ヒトの3倍以上の費用がかかることになります。動物が1匹入院すると、ご家族が3人入院しているのと同じ計算になります。

 ペット保険などに加入している飼い主様は、かなり意識が高い方々であると思いますが、動物をお飼いになる時、その動物が将来病気になることを想定しておられる方は、さほど多くはないかもしれません。しかしながら、いざ病気になると、上記のように高額の費用が必要となります。我々獣医師は、飼い主様とコスト面も十分協議した上で治療を行いますが、残念ながら費用的な問題により、有効な治療を実施できない場合も少なくありません。

 動物をお飼いになる時は、将来的な病気に備えて保険に加入したり、いざという時に困らないように自己資金を積み立てるなどの工夫が必要です。

  2019/01/28   スタッフ

健康診断の重要性

 雪のちらつく本格的な冬になってきました。季節柄、皮膚病がある動物達にとっては幾分過ごし易くなったかもしれません。一方、空気が乾燥しているため、気管に持病のある動物は、発咳の悪化などがあるかもしれません。

 本日は、健康診断について改めてお話ししたいと思います。飼い主様の中には、「身体検査で問題なければ大丈夫」とお考えの方も多くみうけられますが、残念ながら身体検査のみで初期の疾患を発見することは困難な場合があります。もちろん、一般身体検査は、診察の基本であり、この検査により疑うべき病気が浮上することも少なくありません。一方、異常がないからといって健康体であるとはいえません。なぜなら、病気が相当に進行していないと、身体検査で異常を認めないことがあるからです。

 例えば、中齢期から高齢期の猫ちゃんで極めて頻度の高い疾患として慢性腎臓病があります。この病気の初期には、明らかな症状を呈することもなく、強いて言えば、飲水量や尿量が増えたかな?という位かもしれません。ある日から、嘔吐が始まり、食欲不振となり、体重が減少したとのことで病院に連れて来られ、その頃には重度の腎不全となっており、その後、点滴のために頻繁な病院通いが始まる、というのはよくあるストーリーです。 

 こうした事態を極力避けるため、特に中齢期以降の動物は、最低年に1回、血液検査、尿検査およびX線検査などのチェックをおすすめ致します。血液検査については、健康診断用にリーズナブルなセットもご用意しておりますので、ご相談下さい。

「百の治療より一の予防を!」

  2018/12/15   スタッフ

こわ~い胆嚢の病気

 うっとうしい梅雨真っ只中ですね。久しぶりにブログを更新させて頂きます。

 本日は、胆嚢の病気について少しお話しさせて頂きます。胆嚢という臓器を、皆様もお聞きになったことがあるかと思います。我々ヒトにも備わっており、肝臓でつくられた胆汁(脂質などを分解する酵素が含まれた液体)を濃縮するための臓器です。しかしながら、時としてこの胆嚢内に石や泥などが形成され、悪さをすることがあります。因みに、幸か不幸か解りませんが、馬、鹿、ラット、マストミス、象、クジラなどには、胆嚢がありません。

 犬および猫も、ヒトと同様に、胆嚢の病気として胆嚢炎、胆泥症(胆嚢に泥が貯まる)、胆石症、腫瘍などがあります。こうした病気は、軽度であれば、そうそう症状を呈することはありませんが、胆石や粘稠性の高い泥が胆道(胆汁の通り道)を塞ぐことで、急激に症状が現れます。いわゆる胆道閉塞です。閉塞の程度にもよりますが、不完全閉塞であれば、内科的に胆汁を流れやすくする薬剤を使用することで改善がえられることもあります。一方、完全に閉塞していたり、ゼリー状の胆泥が貯留している場合、または胆嚢が破裂している場合は、内科的に治療することが困難であり、外科的に胆嚢を切除せざるをえません。写真は、内科的に改善が得られず、開腹手術により胆嚢を摘出した犬です。パンパンに拡張した胆嚢(左図)がみられ、胆嚢の中にはドロッとした胆泥(右図)がみられました。

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 こうした胆泥貯留や胆石症を発生させる背景として、動物においても食事の関与が否定できません。また、普段から高脂血症がある動物、肥満の動物、おやつを頻繁に与えている動物、トイ・プードル、ミニチュア・シュナウザー、柴およびミニチュア・ダックスなどは注意で必要です。

 胆道疾患が重篤化すると、近くに存在する膵臓や小腸の病気を随伴したり、肝臓そのものも強い障害を受けることがあるため、放置しておくことは危険です。ご自宅でできる予防法として、普段から食生活には気をつけましょう! 

  2018/06/28   スタッフ

僧帽弁閉鎖不全症による心不全

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大部、ブログ更新をさぼっておりました。笑。もうすぐ、梅雨ですね。梅雨時から夏場にかけて、気温とともに湿度も上昇することで、我々も過ごしにくくなりますが、これは動物も同じです。

特に、アトピーや外耳炎などの疾患は、悪化しやすい季節です。その他、気温の上昇により熱中症で来院するわんちゃんもみられるようになっております。季節の変わり目という点では、ペットも体調を崩しやすいので、注意が必要です。

最近感じることは、10年前位に爆発的な人気を博した犬種が、10歳を超えるようになってきて、様々な病気を発症してきているということです。心臓病では、チワワにおいて重症化する個体が際立って多くみられます。

中高齢犬において初めてみつかる病気、つまり後天性の心疾患として最も多い病気が僧帽弁閉鎖不全症です。簡単にいうと、心臓の左側にある弁がしっかりと閉じなくなることで血液が逆流し、心臓内でうっ血することで、様々な症状を引き起こす病気です。この病気の重症度にも色々あります。これまで、我々が実施した調査の結果からも分かるように、聴診器で心臓の音を聴いて、雑音の音量が大きい程、基本的には重症であると考えられます。左の写真は、「ある時から急に呼吸が荒くなり、食欲がなくなった」という8歳のチワワのX線画像です。正常な個体と比べ明らかに心臓の影が大きく映っており、本来黒く映るべき肺が白くなっております。これは、肺内に水が溜まっている状態(肺水腫)です。右の写真は、超音波画像です。左心房という左側の上にある心臓の部屋が顕著に拡大しており、大量の血液がこの左心房内に逆流しております。

飼主様の中には、「この子は、無症状だから大丈夫」と考えておられる方も多くみられますが、こと心臓に関しては、症状がみられてからでは治療が間に合わないことが多いのです。したがって、早期に発見するためには、健康体であっても最低年に1回は、予防接種やフィラリア予防薬処方時にご来院頂き、診察時に聴診させて頂くことが極めて重要です。その結果により、必要に応じてさらに詳しい検査をおすすめすることもございます。

当院では、心臓専用の超音波検査装置(GE社、Vivid S70)を今年度より導入するなど、循環器の健診および内科治療に力を入れております。飼主様にご満足頂ける診察内容となるよう、より一層努力させて頂きますので、もしお困りのことがあれば、ご遠慮なくご相談下さい。

  2017/06/10   スタッフ

泌尿器系における結石のお話し

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とうとう、冬になってしまいました。季節の変わり目のため、お飼いになっている動物に体調の変化などはないでしょうか。この時期は、泌尿器系のトラブルが多くみられる傾向にあります。泌尿器系の代表的な症状として頻尿、血尿および多飲多尿などがあります。

 泌尿器系は、腎臓、尿管、膀胱および尿道で構成されており、様々な疾患が起きうります。近年、非常に多いのが結石です。特に、尿管および尿道にこの結石が詰まると命にかかわる事態となるため、腎臓および膀胱内に結石がある動物は注意が必要です。

 腎臓内にできてしまった結石は、ヒトの場合、超音波による破砕などが実施されておりますが、動物ではまだまだ一般的ではありません。また、腎臓にメスを入れるリスクを考慮すると、腎結石に対する手術には疑問も残るため、当院では積極的には実施しておりません。療法食や薬剤またはサプリメントを用いて、結石を溶解したり、排出を促進したり、結石が大きくなることを予防するしかありません。腎結石は、腎臓内でじっとしていてくれればまだ良いのですが、尿とともに尿管を下り、尿管のある場所で詰まるか、膀胱内へ下りてくることがあります。後者の場合、膀胱結石といわれ、血尿や頻尿の原因となります。膀胱結石も膀胱内にあるうちは、すぐに命には関わりませんが、その先にある細い尿道に詰まると、いわゆる尿道閉塞となり、一刻を争う事態となります。特に、雄は雌と異なり尿道が細く長いため、尿道閉塞を起こしやすいのです。

 膀胱結石は、腎臓と異なり手術による結石摘出術を比較的実施しやすい臓器ですが、摘出してもその後しっかりとした食餌療法は実施しなければ再発することもあります。また、特に猫ちゃんの尿道閉塞では、尿道が元来細かったり、閉塞を繰り返す場合は、尿道を拡張する手術をおすすめすることもあります。

 一方、最も厄介なのは、尿管結石です。尿管に詰まった結石が内科療法により膀胱へ流れることもありますが、流れたとしても、膀胱に結石を流そうとする間は、腎臓にかなりの負荷がかかります。さらに、腎臓に明らかな水溜りが形成されていたり、尿管が完全に閉塞した場合は、外科的な治療をせざるを得ません。かつては、尿管に直接メスを入れ、結石を除去する手術が実施されておりましたが、尿管を切開し、縫合することで術後尿管がさらに狭くなることがあります。そのため、近年、新たな術式としてSUB-system(写真参照)といわれる方法を当院では採用しております。この手術は、尿管の役割をする人工の装置を体内に埋め込み、バイバス路を形成することでスムーズな尿の流出を促すものです。

 排尿や排便は、生体にとって極めて重要な機構なので、飼っておられる動物達の毎日の様子をよく観察しましょう! 

 

  2016/11/18   スタッフ

門脈-体循環シャント

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 さぼり癖が出てしまい、久方ぶりのブログ更新になってしまいました。笑。

夏も本番となってしまいましたが、ワンちゃん、ネコちゃんも熱中症には気をつけましょう。今日は、先天的な原因により起こる門脈-体循環シャント(PSS)という病気についてお話し致します。

 PSSは、大半が犬ですが、稀に猫でもみられます。若齢で本疾患がみつかる多くの場合、たいてい「この子は、体重が増えない」、「時々吐く」、「震える」、「発作を起こす」、「便がゆるい」、「下痢」、「尿が汚い色をしている」などの症状で来院されます。これらの症状は、PSS以外の原因でもよく起こるため、原因が何なのかは、しっかり検査をしなければ分かりません。例えば、血液検査も通常の不妊手術で実施するような内容では、発見されないことも多く、それらの項目に異常がないからということで、不妊手術を実施してしまい、その後、麻酔からの覚醒が異常に悪いなどのトラブルが起こることもあります。

 口から摂取した一部の栄養素は、腸から腸間膜静脈を通り、門脈という血管に集まり、一旦肝臓へ行きます。そして、肝臓でタンパクを合成したり、アンモニアなどの毒素を解毒し、心臓に戻って行きます。ところが、この門脈が生まれつき異常な形態を示す個体がおり、肝臓を迂回して静脈へ流れてしまうのが、このPSSです。したがって、PSSの個体では、肝臓へ流入する血液が乏しいため、肝臓が未発達であり、X線検査などで、肝陰影の小さくみられます。糖をグリコーゲンとして貯蔵したり、タンパク合成したり、有害物質を解毒する肝臓が未発達なため、さまざまなトラブルが生じます。

 PSS自体は、診断がすごく難しい疾患ではありません。本症が疑われる場合、通常の血液検査に加え、食事負荷試験(食事摂取前と摂取後でアンモニアと総胆汁酸の測定する)をと呼ばれるものを追加し、さらにX線検査および超音波検査(カラードプラによる血流方向の確認(図1,2 ))など、今の獣医学では当たり前となっている検査を実施することで、かなり高い精度で診断することが可能です。

 以上のような検査でPSSまたは何らかの肝機能障害と確定され、CT検査や門脈造影検査などにより短絡血管が同定され、かつ肝臓自体に余力があれば、外科的治療により短絡血流を遮断することで肝臓の発育を促し、肝機能を改善させることが可能です。しかしながら、年単位でこの病気が放置されていたり、肝硬変という状態に陥っていたり、多数の短絡血管がみられたり、短絡血管が肝臓の中に深く入り込んでいる場合は、手術が不可能なこともあります。

 CT検査は、3次元的な情報が得られ、手術を前提とする場合には極めて有用であります。しかしながら、その前段階として通常の動物病院レベルでも実施可能な諸検査により少なくとも本疾患を強く疑うまたは仮診断することが可能であるため、上記の様な症状がひとつでもある場合は、動物病院にご相談することをおすすめ致します。

  2016/07/06   スタッフ

病気と食餌について

 いよいよ4月になり、場所によっては桜も満開になっております。ようやく、春らしい気候になってきましたね。

今日は、病気と食餌について少し考えてみたいと思います。中国では医食同元という言葉があり、ヒトでは大分前から医学と栄養学は切っても切れない関係になっており、獣医学でも全く同じことが言えます。確かに動物に与えてはいけない食品や、代謝機構や必須アミノ酸に違いがあり、ヒトと同様ではありませんが、共通点がかなりあるのも事実です。

 「食事は栄養と薬になるが、薬は栄養にならない。」という格言があります。私自身もこの言葉は時折、飼主様へも引用させていただいております。病気で病院へ行き、薬を処方され、果たして治療はそれでおしまいでしょうか?決してそうではありません。症状を急速に緩和させるために確かに我々も薬剤を使用しない日はなく、毎日のように処方しますが、その薬を飲んでさえいれば、どんな食生活でも問題ない、なんてことは決してありません。内服薬を使用していても、適切な食餌を摂取していないとまさに本末転倒になってしまいます。

 動物において、ヒト並みのきめ細かな栄養管理を実施することは、選り好みの問題等もあり、困難であることも多いです。「これまで食べ慣れてきたフードの方がよい。」や、もっと極論では「好きなものを食べてさせて、それにより仮に寿命が短くなってもしょうがない。」という考え方を受け入れないといけない場面も実際に獣医療の現場ではあります。しかしながら、現在では5年、10年前と比べると格段にフードの選択枝が増えてきており、病気の動物でもおいしく食べられるフードなどもあります。また、動物ではヒト以上に食事療法の効果を体感しやすい面(適切なフードへ変更することで、ダイエットに成功する、肝酵素値が正常化する、下痢が改善する、腎または尿結石が改善する、etc)もあります。したがって、「この子は食べないから」とあきらめる前に、色々試してみることが重要です。逆に食餌療法をせずして、病気の改善はないと言っても過言ではありません。特に、慢性疾患を抱える動物の飼主様は、今一度、食餌内容が適切か、見直しをしてみて下さい。

 

  2016/04/05   スタッフ

矢田獣医科病院

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