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尿管結石について

 暑い夏も終わりを告げ、秋めいてまいりました。今年も猛暑が続き、特に呼吸器および循環器系疾患を持つ動物は、大変な時期でしたが、涼しくなることで、多少は楽になったのではないでしょうか。

 以前、膀胱結石のお話しさせていただきましたが、今回は、膀胱以外に腎臓および尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)の結石について、書いてみます。

 普段摂取している食物や水、体質的な問題により泌尿器系にも石が形成されることは、まさにヒトと同様です。まず、尿を産生する腎臓内に結石が形成されると、その結石が一生涯特に悪さをせず腎臓内に留まっていてくれることもありますが、運が悪いと、その先にある尿管に移動し、尿管に詰ることがあります。これが、結石による尿管閉塞(いわゆる尿管結石)です。傍放送局の「〇〇〇〇ガッテン」をご覧になった方は、お分かりでしょうが、尿管自体に痛みを感じる神経は走っておりませんが、尿管が結石により閉塞し、腎臓が尿を排出できなくなると、腎臓内圧が上昇し、腎臓がパンパンになることで、腎臓周囲の神経が圧迫され、ヒトでは激痛を生じると言われております。この疾患を患うと、時間が経てば経つほど、腎臓の損傷は増大し、腎不全となり最終的に尿が産生されなくなるなど、致死的な事態となります。

 血尿、尿が出ない、吐く、食欲消失などの症状が多くみられます。血液検査により腎数値の上昇などがみられることが多いのですが、最終的に腹部X線検査および腹部超音波検査を組み合わせること診断します。

 人医療では、衝撃波による結石の破砕が実施されておりますが、一部の施設を除き、動物で実施することは難しく、尿管結石や尿管狭窄による尿管閉塞が判明した場合には、内科療法として急性腎不全の悪化を抑制するための輸液療法を実施しますが、改善が得られないことが多々あります。この場合、外科的治療として尿管結石を外科的に除去する方法や、尿管にステントを挿入する方法や、または腎臓と膀胱に特殊な器具を装着し迂回路を形成するなどの手術を検討する必要があります。

 予防として、腎結石を早期発見するための定期的な尿検査と画像診断が重要と思われます。特に、過去の尿検査で尿結晶が検出された動物や、結石が尿道(膀胱のさらに先)に詰ったことがある動物は、要注意です。

 

 

 

  2015/09/01   スタッフ

生活習慣病について

 もうすぐ、夏も本番です。7から8月になれば、暑さもこんなものではないでしょうね。特に、この時期は、動物にとってかなりしんどい時期です。日中、道路のアスファルトもかなり高温になりますので、熱中症には十分注意して下さい。

 ブログにおいて、様々な犬および猫の疾患について記載させて頂いております。動物の疾患もヒトと同様に星の数程あるので、とうてい全てを記載することはできませんが、今回は、ヒトの生活習慣病との比較を交えたお話しをしたいと思います。

 ここ石川県における平成23年度の生活習慣病患者数(厚労省発表)というものをみてみました。このデータをみると、主だった疾患では、高血圧性疾患の患者数が全国16位、虚血性疾患が同第9位、脳梗塞が同第30位、脳内出血が同第36位、とここまではそう驚かないのですが、糖尿病に関しては何と第7位入賞と、かなり高い発生率であることがわかります。有名な話ですが、断トツで第1位は、香川県だそうです。

  動物の疾患で、他県と比べて当院で多く遭遇する疾患として、特に糖尿病と血栓症があげられます。ヒトのデータと比べて、何らかの関連がないとはいえない気もします。もちろん、ヒトと動物を同じ土俵で比較することはできませんし、関連性の有無は慎重に評価する必要がありますが、少なくとも、ご自宅で飼っておられる動物にヒトと同じ食べ物を与えていたとしたら、糖尿病などの疾患に関してはかなりリスクが大きいと言えます。元来、ヒトと動物の食べ物は、根本的に栄養素の含有量が異なりますので、ペットにはペット専用のフードを与える必要があります。一方、血栓症については、犬より猫で多くみられますが、罹患する猫の多くは、心筋症という心臓の病気を有しております。これも、ヒトの心筋梗塞と発生率との関連性が気になるところです。これらの疾患は、とにかく早期発見することが重要です。

  具合が悪ければ動物病院を受診することはもちろんですが、とくに症状がなくても、定期健診として少なくとも年に1回、少なくとも血液検査、X線検査および尿検査を実施されることをお薦め致します。

 本当に年1回で十分かといわれると、全く根拠はありません。ヒトの人間ドックでは、年1回が一般的でしょうが、動物で年1回の健診は、ヒトなら4~5年に1回、モニターしているにすぎないからです。

      「とにかく病気の早期発見を!」 

 

  2015/06/24   スタッフ

フィラリア予防について

フィラリア成虫寄生.jpg

   ブロブ更新を完全にさぼってました。笑。もう夏という感じですね。夏といえば、私の大嫌いな蚊との戦いであります。ヒトでも昨年、代々木公園およびその周辺で発生したデング熱が記憶に新しいところですが、動物にとっても厄介な生物であります。特に、小動物ではフィラリアといわれる、蚊が運ぶ寄生虫には注意する必要があります。フィラリアに寄生した動物の血を蚊が吸い、その蚊が他の動物を吸血すると、ミクロフィラリアというフィラリアの子がその動物の血液内に入り、そのまま成長するとそうめんの様な虫(写真参照)が心臓内に寄生し、放置していると死に至らしめる恐い寄生虫です。一昔前に比べると、有効性の高い予防薬の開発や、予防の徹底などもあり、フィラリアに寄生した動物の数は大分少なくなった印象もありますが、まだまだフィラリアの存在をご存知でない飼主や、飼主が知っていても予防されていない動物も多々みられます。現在では、月に1回の内服薬や、皮膚に滴下する薬剤、1年間有効な注射薬などがあり、これらを使用することでほぼ100%予防することが可能です。予防を開始する時期は地域により異なり、沖縄などの様に1年中実施する所もありますが、石川県では5~12月が推奨されております。

フィラリアに寄生してから治療するのではなく、予防をしましょう!

  2015/05/26   スタッフ

ホルター心電図

  時間が経つのは早いものです。前回の更新から、もう1ヵ月以上が経過してしまいました。笑。今日は、久しぶりに循環器(ホルター心電図)のお話しを少しさせて頂きます。

 動物でも、「発作」という症状がヒトと同様にみられることがあります。原因もさまざまありますが、脳疾患、代謝性性疾患(老廃物の蓄積、カルシウム不足、低血糖)、心疾患などが代表的です。一体、何が原因なのかが分からなければ治療の仕様もないので、原因鑑別が極めて重要となります。発作の様子を飼主様に動画などでお撮り頂いて、お見せ頂ければ、多少なりとも情報が得られ、診断につながることも少なくありません。また、代謝性疾患によるものであれば、血液検査である程度、診断することが可能です。

 しかしながら、脳疾患および心疾患が原因の場合は、診断は少し厄介です。脳疾患であれば、全身麻酔をかけてのMRIが必要となります。心疾患の場合は、基礎となる重大な疾患があるかないかは、胸部X線、心電図および心臓超音波検査で鑑別が可能ですが、問題となるのは、診察時に不整脈などの徴候を示さなくても、心疾患による発作が完全には否定できない点です。

 ヒトであれば、本人にしか分からない「胸が苦しい」などの症状を問診から聞き出すことが可能ですが、動物では困難であることと、病院内で行う心電図検査は、せいぜい2~3分にすぎません。心臓は当然のことながら、24時間(1440分)活動しているので、飼主様が寝静まった夜中に動物の心臓がどのようになっているかは分からないのです。したがって、心疾患、特に不整脈関連の疾患を除外するためには、「ホルター心電図」といって、24時間心電図を記録し、その波形やリズムを解析する検査が推奨されます。

 昔は、かなり大型の機械を動物にしょってもらう必要がありましが、最近の機器は、かなり小型化され、猫や小型犬でも、動物に苦痛を与えずに実施すること可能ですし、もちろん麻酔などをかける必要もありません。てんかん発作で来院される動物には、高齢で心疾患を併発している動物もおりますので、心臓のリズムに問題がないかを調べる上では重要な検査です。

 もし、こうした検査をご希望される場合には、ご相談頂ければと思います。

                                                       

  2015/04/13   スタッフ

糖尿病について

 久しぶりのブログ更新となりました。朝方はまだまだ寒いですが、多少は春めいてきた感じです。以前、内分泌疾患について少しお話しをさせて頂きましたが、今日はその中でも特に糖尿病について書かせて頂きます。

  糖尿病は、犬でも猫でも起こり得り、そのメカニズムは、ヒトと大きくは異なりません。つまり、インスリンという血糖値を下げる働きをするホルモンが膵臓から分泌されなくなる、または分泌が低下することにより、血糖値のコントロールが不能となり、高血糖状態になります。血糖値が高いだけでは死に至ることはありませんが、血糖値が異常に高い状態が持続すると、他の臓器へ悪い作用を及ぼします。回復不可能な神経症状などを呈したり、血液の浸透圧が増大することで著しい脱水を引き起こすことで、死に至ることもあります。

 糖尿病の動物で多い症状として、多飲多尿、多食、体重減少、餌を食べる割に太らない、などがあげられます。しかしながら、こうした症状はなかなか飼主に気付かれにくいこともあり、糖尿病性ケトアシドーシスや、糖尿病性昏睡といった、究極的に全身状態が悪化して初めて病院を受診する動物も珍しくありません。

  ヒトと同じように、健常な動物でも血糖値は1日の中で変動し、空腹時と食後では当然値は異なります。また、ストレスでも血糖値は大きく変化します。したがって、血糖値が参考値より高いからといって糖尿病とは診断できません。糖尿病と診断するためには、少なくとも尿にブドウ糖が出現していることが条件となります。犬では血糖値が175-225mg/dl、猫では275-325mg/dl以上になると、尿糖が腎臓より排出されてしまいます。その時だけたまたま高血糖だったのか、高血糖が持続しているのかを調べるため、過去2-3週間の平均的な血糖値を知る血液検査もあります。ヒトでは、HbA1cが世界標準であり、動物でも一部の検査機関で測定が行われておりますが、糖化アルブミンや、フルクトサミンといわれるマーカーがより一般的に使用されております。

  持続的に高血糖が起きており、糖尿病と診断された場合、何らかの治療が必要です。犬の糖尿病は、ヒトのI型糖尿病に相当する病態がほとんどであるため、他の基礎疾患が無いかどうかを調べるとともに、インスリンを継続的に投与する必要があります。一方、猫はII型糖尿病の病態が存在するため、食事、生活環境の改善により、インスリンから離脱できることもあります。

 インスリン投与による治療は確かに基本ですが、適切な食事を与えることはもっと重要かと思われます。白米、小麦粉に代表されるいわゆる白い食品は、摂取後の血糖値を上昇させるスピードが速いため(高GI値)、特に糖尿病や、その予備群である肥満の動物には適しておりません。糖尿病の原因が必ずしも肥満ではありませんが、急激に血糖値を上昇させると一気にインスリンが分泌され、血中のブドウ糖は脂肪細胞に吸収され、脂肪の成長を助長することを考えると、食後の血糖値をゆっくり上げる工夫として、繊維質の摂取がかかせません。

 病気を早期発見するためにも、尿検査などを含めた健康診断をおすすめいたします!

  2015/03/09   スタッフ

処方薬とコンプライアンス

 本日は、コンプライアンスについてお話ししたいと思います。コンプライアンス(compliance)には、様々な意味が含まれており、「(命令や要求への)追従、承諾」などがよく知られております。医療用語における「コンプライアンス」は、「服薬遵守」、つまり「医師から処方された薬剤を指示通りに服用すること」を意味します。例えば、患者が医師の指示通りお薬を飲まない場合は、「コンプライアンスが得られない。」と表現します。

  我々ヒトが病院に行って、薬剤を処方された時のことを考えて頂ければ分かり易いと思います。最近では医薬分業の病院が増えており、院外の薬局などで処方箋を提示し、実際には薬剤師から薬剤の詳しい説明を受けることが多いと思います。説明される内容は施設により若干異なるかもしれませんが、服用方法、服用時期、服用期間、服用回数、取扱い方法、副作用などがおそらく主な内容でしょう。入院でもしていない限り、毎日、医師の指示通り本人がしっかりお薬を服用したかを、全員に対して誰かが確認することは現実的に困難であり、薬局でお薬を本人に渡された以後は、本人の意思により投薬して頂くしかありません。動物の場合、本人ではなく飼主様が動物に投薬を行うことになります。

   屯服といって、本人の症状により内服するか否かを判断してもらうお薬を除いては、必ず決められた服用回数や、服用日数が存在しております。お薬が処方される日数は、適当なものではなく、獣医学的な要因に基づき決められた日数なので、飼主様の判断でお薬を突然中止するのは極めて危険と言えます。

   心臓薬やインスリン注射などは比較的しっかりと継続して頂ける傾向が強いのですが、その他の内分泌疾患に対する内服薬や、抗菌剤は決して高いコンプライアンスとは言えない面もあります。ヒトの場合、お薬を中断したことで何らかの症状を敏感に察知することも可能かもしれませんが、動物の場合、個体にもよりますが、症状を訴え始めるのは病気が大分進行してからかもしれません。抗菌剤の乱用に関しては耐性菌の出現など、処方する側も十分に留意する必要がありますが、逆に中途半端な使用をすると治る病気も治らないことになり、余計に悪化することがあります。

   処方薬は指示通り服用しましょう!

  2015/02/03   スタッフ

甲状腺の病気

 久しぶりのブログ更新となってしまいました。笑。寒いのは寒いんでしょうけども、雪がふるわけでもなく、はっきりしない天気ですね。今日は、甲状腺のお話しです。

 動物種によってその形態や、左右の甲状腺の繋がり方などは異なりますが、ヒトと同様に動物にも甲状腺があります。甲状腺の主な役割は、甲状腺ホルモン(サイロキシンなど)の分泌です。ここから分泌されるホルモンには、様々な重要な働きがあります。代表的な作用として、脂質の代謝や、元気および活力の向上、心臓機能の維持などがあります。病気の発生頻度も動物種により異なりますが、犬では甲状腺機能低下症が、一方、猫では甲状腺機能亢進症が甲状腺の病気としては多くみられます。

 甲状腺機能低下症の症状として、元気がない、寝ていること多い、食欲にムラがある、心拍数が少ない(徐脈)、肥満、かゆみをあまり伴わない脱毛などがあります。甲状腺ホルモンの分泌が極端に低下した場合、昏睡などを引き起こし、命とりになることもあります。一方、甲状腺機能亢進症では、もの凄い勢いでご飯を食べる、食べる割に太らないまたは痩せていく、攻撃的な性格、嘔吐、多飲多尿などがあります。症状をみてお解かりの通り、低下症と亢進症は真逆の病態です。甲状腺機能亢進症は、ヒトでいうならばバセドウ病がこれに該当します。甲状腺の腫瘍でもホルモンの分泌に何らかの異常を及ぼすことがあります。

 甲状腺機能の評価は、血液検査による甲状腺ホルモンの測定や超音波検査による形態評価を行い、臨床症状と照し合せることにより診断します。しかしながら、他の疾患が根本的な原因として存在しており、二次的に甲状腺機能低下症を引き起こしている場合があるため、診断には注意を要することがあります。甲状腺に根本的な問題がある場合、根治的治療がないため、薬剤投与による甲状腺ホルモンの補充を一生涯にわたり実施する必要があります。甲状腺機能亢進症は、逆に甲状腺ホルモンの働きを抑える薬剤を服用するか、ヨード含有量が極端に抑えられたフードを給餌することなどが治療法となります。猫の甲状腺機能亢進症は、すぐに命を脅かすことは少ないですが、心拍数上昇などによる二次的な影響として心筋の肥大が起き、心臓の寿命を著しく短くすることがあるため、恐い病気であるといえます。

 

  2015/01/15   スタッフ

矢田獣医科病院

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