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僧帽弁閉鎖不全症による心不全

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大部、ブログ更新をさぼっておりました。笑。もうすぐ、梅雨ですね。梅雨時から夏場にかけて、気温とともに湿度も上昇することで、我々も過ごしにくくなりますが、これは動物も同じです。

特に、アトピーや外耳炎などの疾患は、悪化しやすい季節です。その他、気温の上昇により熱中症で来院するわんちゃんもみられるようになっております。季節の変わり目という点では、ペットも体調を崩しやすいので、注意が必要です。

最近感じることは、10年前位に爆発的な人気を博した犬種が、10歳を超えるようになってきて、様々な病気を発症してきているということです。心臓病では、チワワにおいて重症化する個体が際立って多くみられます。

中高齢犬において初めてみつかる病気、つまり後天性の心疾患として最も多い病気が僧帽弁閉鎖不全症です。簡単にいうと、心臓の左側にある弁がしっかりと閉じなくなることで血液が逆流し、心臓内でうっ血することで、様々な症状を引き起こす病気です。この病気の重症度にも色々あります。これまで、我々が実施した調査の結果からも分かるように、聴診器で心臓の音を聴いて、雑音の音量が大きい程、基本的には重症であると考えられます。左の写真は、「ある時から急に呼吸が荒くなり、食欲がなくなった」という8歳のチワワのX線画像です。正常な個体と比べ明らかに心臓の影が大きく映っており、本来黒く映るべき肺が白くなっております。これは、肺内に水が溜まっている状態(肺水腫)です。右の写真は、超音波画像です。左心房という左側の上にある心臓の部屋が顕著に拡大しており、大量の血液がこの左心房内に逆流しております。

飼主様の中には、「この子は、無症状だから大丈夫」と考えておられる方も多くみられますが、こと心臓に関しては、症状がみられてからでは治療が間に合わないことが多いのです。したがって、早期に発見するためには、健康体であっても最低年に1回は、予防接種やフィラリア予防薬処方時にご来院頂き、診察時に聴診させて頂くことが極めて重要です。その結果により、必要に応じてさらに詳しい検査をおすすめすることもございます。

当院では、心臓専用の超音波検査装置(GE社、Vivid S70)を今年度より導入するなど、循環器の健診および内科治療に力を入れております。飼主様にご満足頂ける診察内容となるよう、より一層努力させて頂きますので、もしお困りのことがあれば、ご遠慮なくご相談下さい。

  2017/06/10   スタッフ
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