健康診断の重要性  -その2‐

 飼い主様の中には、「身体検査で問題なければ大丈夫」とお考えの方も多くみうけられますが、残念ながら身体検査のみで初期の疾患を発見することは困難な場合があります。もちろん、一般身体検査は、診察の基本であり、この検査により疑うべき病気が浮上することも少なくありません。一方、異常がないからといって健康体であるとはいえません。なぜなら、病気が相当に進行していないと、身体検査で異常を認めないことがあるからです。

  例えば、中齢期から高齢期の猫ちゃんで極めて頻度の高い疾患として慢性腎臓病があります。この病気の初期には、明らかな症状を呈することもなく、強いて言えば、飲水量や尿量が増えたかな?という位かもしれません。ある日から、嘔吐が始まり、食欲不振となり、体重が減少したとのことで病院に連れて来られ、その頃には重度の腎不全となっており、その後、点滴のために頻繁な病院通いが始まる、というのはよくあるストーリーです。 

 こうした事態を極力避けるため、特に中齢期以降の動物は、最低年に1回、血液検査、尿検査およびX線検査などのチェックをおすすめ致します。血液検査については、健康診断用にリーズナブルなセットもご用意しておりますので、ご相談下さい。

「百の治療より一の予防を!」