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2016年02月

腸内細菌叢について

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 なんだかよく分からない天気ですが、今日は外が暖かいです。

 本日は、腸内細菌について少しお話ししたいと思います。嘔吐、下痢に代表される動物のお腹の病気は、とくに季節性があるわけではなく、他の疾患と比べると年中比較的多くみられます。下痢は、異物摂取、薬品摂取、寄生虫、腫瘍、膵炎、腸炎など原因が多岐に渡るため、しばしば原因究明に難儀することもあります。疾患により下痢のタイプや、頻度は異なりますが、症状が慢性的に継続する場合は、少なくとも何らかの腸内環境の異常が示唆されます。

 人医学において、近年、腸内細菌叢の研究が進歩し、様々な疾患との関連性が示唆されております。動物では、ヒトほど十分な科学的根拠がまだありませんが、おそらく関連性が全くないとは言えず、腸内環境の整備ついて動物でも検討する必要があると思われます。

 掲載させて頂いた写真は、異なる犬の便をグラム染色という方法により染め出し、光学顕微鏡で観察したものです。この染色により、腸内細菌を青または赤で染色することで、その細菌が善玉菌なのか、悪玉または日和見菌なのかを大まかに判別することができます。善玉菌は、ほぼ全てが青く染まる細菌なので、青い細菌が少なく、赤い細菌が多い場合、腸内細菌叢が乱れている可能性が示唆されます。

 上下いずれの個体も基本的に正常便を排出しますが、上の個体は時折、軟便や血便を呈しております。下の個体は、以前、軟便傾向を呈していたため、それ以降、乳酸菌サプリメント(Enterococcus faecalis)を常時与えております。上の個体には、特に整腸剤は与えておりません。上下の写真をよくご覧頂きたいのですが、上の写真では、青い細菌がみられるものの、赤い細菌とほぼ同等であり、善玉菌が優勢とは言い難い状況です。一方、下の写真では、明らかに青くダルマ型を呈した細菌が赤い細菌より多くみられていることから、良好な腸内環境が構築されていると思われます。

 便検査は、消化器疾患を鑑別する上で、初歩中の初歩であり、到底この検査だけで全てを把握できませんが、便は口以上に物を言う存在かもしれません。ヒトと同様に、動物も有害な環境因子に暴露される時代ですので、腸内環境の整備は重要であります。

 

  2016/02/12   スタッフ

矢田獣医科病院

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