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2015年09月

動物愛護フェスティバル2015

  秋の大型連休も終わり、今日からお仕事という方々も多いのではないでしょうか。

 さて、昨日は西部緑地公園にて動物愛護フェスティバルが開催されました。お天気にも恵まれ去年にも増す盛況ぶりでした。開催にあたりご尽力された先生方はじめ関係者の皆さん、そして来場された飼主の皆さん、そして動物達に深く御礼申し上げます。

 本フェスティバルでは 動物とのふれあいをモットーに様々なブースが開設され、県民の方々に対して動物を色々な角度から知って頂くための場が提供されております。今回、マイクロチップの促進キャンペーン、動物健康相談、なりきり獣医さんなどのブースを石川県獣医師会では開設させて頂きました。なりきり獣医さんのコーナーでは、小さいお子さんを対象に白衣をきてもらい、聴診器を用いて実際に犬の心臓の拍動を聞いてもらい、生命の営みを体感していただきました。ヒトより大分早い心拍数に驚かれた方々もいらっしゃいました。

 マイクロチップのコーナーでは、普及促進のため先着順でマイクロチップの無料優待券の配布を行いました。マイクロチップについてご存知の方も多いかもしれませんが、初めて聞いたという方へ、今一度、簡単なご説明をさせて頂きます。マイクロチップは、直径2-3mm×15mm程度のプラスチック製のカプセルであり、このカプセル内に15~20桁程度の番号が入力されております。このカプセルを予め動物に埋め込んでおくと、万一失踪した際でも、どこかでその動物が保護されれば、マイクロチップリーダーという特殊な装置を用いて体の外から番号を読み取ることができます。そして最終的に個体情報と照合することで、その動物が飼主様の下へ帰還できる可能性が生まれます。マイクロチップは、埋め込み後、皮下で多少の移動がすることはありますが、生体にとって安全であることがすで証明されております。埋め込みは、背中に注射するのと同じような感じで、通常麻酔などをかけずに実施することができます。

 現在、動物保護施設における愛玩動物の殺処分は、石川県においても残念ながら後を絶たないのが現実です。マイクロチップの普及のみで解決する問題ではありませんが、もし保護動物達の個体情報を把握することができれば、飼主の下に帰ることも可能となり、殺処分ゼロへの一助になることが期待されます。したがって、末永く動物達と暮らして頂くためにもマイクロチップの埋め込みをおすすめ致します。

 本フェスティバルですが、また来年も開催予定ですので、動物を飼育されている方々は、是非ご参加頂ければと思います。

  2015/09/24   スタッフ

尿管結石について

 暑い夏も終わりを告げ、秋めいてまいりました。今年も猛暑が続き、特に呼吸器および循環器系疾患を持つ動物は、大変な時期でしたが、涼しくなることで、多少は楽になったのではないでしょうか。

 以前、膀胱結石のお話しさせていただきましたが、今回は、膀胱以外に腎臓および尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)の結石について、書いてみます。

 普段摂取している食物や水、体質的な問題により泌尿器系にも石が形成されることは、まさにヒトと同様です。まず、尿を産生する腎臓内に結石が形成されると、その結石が一生涯特に悪さをせず腎臓内に留まっていてくれることもありますが、運が悪いと、その先にある尿管に移動し、尿管に詰ることがあります。これが、結石による尿管閉塞(いわゆる尿管結石)です。傍放送局の「〇〇〇〇ガッテン」をご覧になった方は、お分かりでしょうが、尿管自体に痛みを感じる神経は走っておりませんが、尿管が結石により閉塞し、腎臓が尿を排出できなくなると、腎臓内圧が上昇し、腎臓がパンパンになることで、腎臓周囲の神経が圧迫され、ヒトでは激痛を生じると言われております。この疾患を患うと、時間が経てば経つほど、腎臓の損傷は増大し、腎不全となり最終的に尿が産生されなくなるなど、致死的な事態となります。

 血尿、尿が出ない、吐く、食欲消失などの症状が多くみられます。血液検査により腎数値の上昇などがみられることが多いのですが、最終的に腹部X線検査および腹部超音波検査を組み合わせること診断します。

 人医療では、衝撃波による結石の破砕が実施されておりますが、一部の施設を除き、動物で実施することは難しく、尿管結石や尿管狭窄による尿管閉塞が判明した場合には、内科療法として急性腎不全の悪化を抑制するための輸液療法を実施しますが、改善が得られないことが多々あります。この場合、外科的治療として尿管結石を外科的に除去する方法や、尿管にステントを挿入する方法や、または腎臓と膀胱に特殊な器具を装着し迂回路を形成するなどの手術を検討する必要があります。

 予防として、腎結石を早期発見するための定期的な尿検査と画像診断が重要と思われます。特に、過去の尿検査で尿結晶が検出された動物や、結石が尿道(膀胱のさらに先)に詰ったことがある動物は、要注意です。

 

 

 

  2015/09/01   スタッフ
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